
動機
オンラインショップの利用拡大によって、私の住む地域でも常に宅配をする人が車で走り回っています。1台ではなく、2台も3台も走り回っています。そして、朝から晩まで走っている。目に見えるだけでそれだけの量が走っているのだから、その宅配に係る仕事量というのは相当なものだろうと思います。
ある日自分が庭にいると隣人の家に宅配の人が来て、不在なのを確認して帰って行った。再配達に対する負荷というものも相当になるだろうと認識しました。
一軒ずつ車を停めて荷物を出し、チャイムを鳴らして、不在であればもう一度来る・・・。果てしないこの宅配業務は果たして社会全体として効率的なのだろうかと思いました。。もし、この一軒ずつの宅配と再配達のコストを計算したら一体いくらになるのでしょうか。
解決案の策定に向けて
ではどうすれば解決出来るかということを最近ずっと考えています。ポイントは以下の点に集約されていると思います。
- 再配達の削減
- 特定のエリアに絞った纏めた宅配の実施
恐らくこれはもう何年も前から宅配会社の人は気付いているはずだし、コンビニやその他の協力のもと、上記2点を達成するスキームを検討して来たのだろうと思っています。但し、今のところ、このスキームが全国的に構築されて成功してはいないと思っています。
この問題をweb3で解決することが出来ないだろうかと思っています。
web3による解決策の提案
以下の設計によって、上記二つの課題を解決出来ないかを検討したいと思います。
宅配DAO
- 宅配先になる個人や法人はDAOを組みます。宅配DAOと仮称します。
- このDAOのメンバーになるためには一定額をネイティブトークンでディポジットしなければなりません。
- 宅配DAOのメンバーは、荷物がきた場合、積極的に宅配DAOメンバー全員の荷物を受け取る義務が課されます。
- 宅配DAOには配達した荷物数に応じて助成金が宅配会社から支給される仕組みにします。
- 助成金はDAO内のメンバーによって分配されます。基本的には荷物を受け取った回数に応じて、この助成金を分配する仕組みとします。
- 宅配DAOメンバーが荷物を受け取った場合、DAO内の決まったルールに基づいて処理を行う必要があります。メンバーが義務を怠った場合、ディポジットされたトークンは没収されます。
解決出来ない課題
但し、これだけでは完全に課題は解決出来ない考えます。。例えば、以下の点です。
- クール便に対する問題。所謂冷蔵状態での宅配希望商品を複数保管するには市販の冷蔵庫しか持たない通常の家庭では対応出来ません。
- 大きめの荷物の集中。例えばDAOメンバーが10人いたと仮定して、その10人が自転車のような大きめのものを同時に宅配する場合、個人の家の屋内保管が難しく、天候不順のような場合に対応出来ない可能性が高いように思われます。
- 期限指定に対する問題。荷物を急いで受け取りたい場合、DAOのメンバーが中間で受け取ると荷物の到着が通常より遅くなるケースが発生する可能性が高いように思われます。
- 個人による感覚の違いによるトラブル。「急いでいないと思った」「1日くらいいいでしょ」というような個人の荷物に対する感覚の違いによって、DAO内でのトラブルが発生する可能性が考えられます。
解決出来ない問題、DAOで協力することで、DAOで決め事を作ることで対応出来そうな問題があります。通常は必要ないものの、不測の事態の発生時、または一部の不届者に対応する時に必要となる費用、私はこの費用のことを”負の経費”と呼びます。DAOで協力することで、この負の経費をなくすことは、企業のみならず国家レベルにおいても重要なことだろうと私は考えます。
次のステップ
この宅配の問題を解決するdAppのプロトタイプを実装してみようと思います。そして、いつか宅配会社の人と話す機会、もしくは宅配会社が企画するweb3ハッカソンのようなものがあるタイミングで提案できたらと思っています。
そして、今回からdAppはWASMでやっていこうと考えています。